HAKUブレストケアクリニック (横浜市都筑区/センター北駅)
白 英 院長の独自取材記事
早期に発見・治療ができれば、完治をめざせることも多い乳がん。「もしかしたら乳がんかも」と不安になったとき、気軽に受診できる専門クリニックが身近にあれば、乳がんで命を失う人を減らせるのではないか。そんな思いで2020年に「HAKUブレストケアクリニック」を開業した白英(はく・えい)院長。子育て世代も多い港北エリアで、多忙な女性が安心して受診できる乳腺専門クリニックをめざしている。乳腺診療のほか、精度にこだわった乳がん検診や精密検査、術後のフォローにも力を入れる白院長に、同院の特徴や乳がん診療への思いを聞いた。
「来て良かった」をめざす、乳腺専門クリニック
クリニックのあらましをお聞かせください。
乳がんや乳腺良性腫瘤、乳腺症、乳腺炎など、乳房に起こる病気の診療や乳がん検診を専門的に行う「女性のための乳腺専門クリニック」です。すべて女性のスタッフがデリケートな不安や悩みに寄り添い、「来て良かった」と思っていただけるようなきめ細かな対応を心がけています。マンモグラフィ、超音波検査、細胞診、針生検や吸引生検といった組織検査など、乳がんの診断に必要な検査はすべて可能です。地域柄比較的若い世代の受診が多く、30代でがんが見つかる方も少なくありません。当院で乳がんと診断されれば速やかに適切な病院に紹介し、手術を受けてからこちらで経過観察やホルモン療法を受けていただくという一連の流れがスムーズにできる体制です。開業して丸6年となり、やはり術後の患者さんが増えてきました。ホルモン療法は基本5年、長い方で10年ほど続きます。薬が終わっても経過観察は続きますので、長いお付き合いとなります。
診療日を増やされたと伺いました。
2026年5月から、これまで休診としていた水曜日にも診療を行っています。担当していただいているのは、私が聖マリアンナ医科大学の乳腺外科に勤務していた頃、一緒に乳がん診療に携わってきた先生です。以前から「水曜日にも受診できると助かる」という患者さんの声もあり、日曜・祝日を除き毎日受診いただける体制を整えました。先生は私と同じ日本乳癌学会乳腺専門医で、乳がん診療の経験も豊富です。とても穏やかで優しく、患者さんのお話を丁寧に聞き、わかりやすく説明してくださる先生なので、私自身もとても信頼しています。乳房に気になる症状や不安がある時に、曜日を気にせず相談していただけることは大切だと考えています。信頼できる先生とともに、これまで以上に患者さんのニーズに応え、安心して受診していただけるクリニックをめざしていきたいと思います。
診療で大切にされていることは?
「もしかしたらがんかも」という不安を抱いて来られる患者さんには、まず話をしっかり聞き、適切な診断と丁寧でわかりやすい説明を提供するようにしています。画像の読み方や過去の比較画像などもお見せして説明し、理解を促します。乳がんが見つかった方や術後の方には、その方の年齢や家族背景、生活背景などに配慮しながら、少しでも治療に対して前向きな気持ちになれるような声かけを工夫しています。良性疾患でも乳がんの経過観察でも、大きい病院と同じレベルの診療を行うことが目標です。
精度の高い検査と診断能力で、乳がんを早期に発見
乳がん検診について教えてください。
乳がんは発見が早期であればあるほど、治療への期待が高まります。そこで当院では乳がんの早期発見に特徴的な微小石灰化の描出能にこだわったマンモグラフィを採用し、大学病院で長く検査を担当してきたマンモグラフィ専門の女性スタッフが常勤しています。一般的な検診施設よりも高いレベルでの検査と診断が望める環境で、痛みに対してもベテランならではの配慮が可能です。超音波検査も、超音波検査に関する専門的な知識・技術を持つ医師もしくは専門スタッフが担います。家族歴といったリスクや乳房のタイプなどによって、どのような頻度でどの検査を受けるべきか変わってきます。そこで当院では、一般の検診施設や大学病院などでは難しい、個々に合わせた検診のアドバイスも提供しています。
こちらで検診を受けるメリットについて伺います。
一般的な乳がん検診で異常があれば、当院のような専門クリニックや病院で精密検査を受けることになります。当院での自費検診でしこりが見つかった場合は、良性のものだから心配はないのか、あるいはがんが疑われ精密検査を行うべきなのか、速やかに判断することができます。1回の受診で済み、早く必要な治療に進むことができる点は大きなメリットでしょう。また、当院はスタッフを含めて全員が乳がん診療に精通した専門施設です。女性にとってデリケートな領域であり、不安を持ったり、ショックを受けたりという患者さんも多い中で、知識を持ったスタッフが親身に対応してくれています。患者さんの情報共有もしっかり行っており、「スタッフさんのおかげで安心できた」、「説明がわかりやすかった」と患者さんから感謝のお言葉をいただくこともよくあります。
術後のフォローアップにも力を入れているとか。
乳がんの術後は継続治療と経過観察などで10年にわたるフォローアップが必要とされますから、仕事や育児を抱える方でも通院を続けやすい環境を提供したいと考えています。乳がんの診断を受けて涙していた方も、手術を受けて「無事帰ってきました」と元気に戻ってこられる環境を整えたいですね。大きい病院では時間がなく相談できなかったことや聞きづらかったことをここでどんどん言っていただいて、悩みや不安を少しでも解決できればと思います。また、乳がんのタイプによっては非常に重要となる、再発予防を目的とした分子標的治療やホルモン治療も行っています。さらに、ホルモン治療中の方でリスクが高まりがちな骨粗しょう症を見逃さないため、超音波式の骨密度測定装置も導入しました。
不安を安心に変えるため、後回しにせず早めに受診を
現在もクリニックでの診療と並行して、大学の乳がん専門施設で診療を続けていらっしゃるそうですね。
週に1度、聖マリアンナ医科大学附属研究所ブレスト&イメージング先端医療センター附属クリニックで外来診療を行い、同大学病院では手術も担当しています。同センターは乳がん診療に特化した施設で、専門性の高い診断や治療に日々触れることができる貴重な場でもあります。当院で診療する中で、乳がんの鑑別に有用なMRI検査や、良悪性の鑑別が必要な石灰化に対するマンモトーム生検など、より詳しい検査が必要と判断した場合には、同センターで速やかに検査を受けられるよう連携体制を整えています。また、現在もこうした専門施設で診療を続けることで、乳がんの診断や治療に関する新しい知見に触れ、知識や技術を常にアップデートしていくことを大切にしています。そこで得た知識や経験を当院での日々の診療に還元し、より良い乳がん診療を提供していきたいと考えています。
専門的な立場からお伝えになりたいことはありますか?
乳がんは女性がかかるがんの中でも多く、幅広い年代の方にとって身近な病気です。ぜひ心がけていただきたいのが、日頃から自分の乳房の状態に関心を持つ「ブレスト・アウェアネス」です。普段の生活の中で乳房を見たり触れたりして、いつもと違う変化に気づいたら、先延ばしにせず乳腺外科を受診していただきたいですね。また、40歳以上の方は定期的に乳がん検診を受けることも大切です。乳腺クリニックは「何か病気がないと行ってはいけない」「受診するのが少し怖い」と、まだハードルが高いと感じる方も少なくありません。私はそのハードルをできるだけ下げたいと思っています。他施設で受けた検診結果についても、専門用語が多くてわからない、結果を見て不安になったという場合には、一緒に結果を確認しながらわかりやすくご説明します。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
乳がんは早期に発見することが何より大切です。特に40代は仕事や家事、育児などで忙しく、自分のことを後回しにしがちな年代ですが、ぜひ定期的に検診を受ける時間をつくっていただきたいと思います。また、若い世代でも乳がんになることはありますので、年齢にかかわらず気になる症状があれば受診してください。検査を受けて「大丈夫だった」と安心することも、とても大切です。もし乳がんが見つかっても、早期であれば治癒をめざせる可能性が高く、治療後にこれまでの日常生活へ戻ることも十分に望めます。「怖いから」と先延ばしにせず、少しでも気になることがあれば気軽にご相談ください。