岡 潔 院長の独自取材記事
岡神経科
(名古屋市中区/栄駅)
最終更新日:2026/09/17
栄駅5番出口を出てすぐの場所に立つ大型医療ビル。その5階にある「岡神経科」は2007年に開業。白を基調とした待合室には、緑色のソファーと観葉植物があり、壁には絵画が飾られている。シンプルで落ち着いた雰囲気だ。院長の岡潔先生は、ビル内に入るエスエル医療グループの会長を務め、約4年間グループ内を取りまとめた。勤務医時代から他の科との連携に力を入れ、開業後はビル内クリニックからの紹介患者を数多く受け入れている。「当院は医療の入り口。まずは相談してほしい」と話す岡院長に、診療内容や診療時に大切にしていること、さらにリフレッシュ方法などについて話を聞いた。
(取材日2023年3月14日)
患者が精神科を受診する「入り口」に
幅広い年齢層の患者さんが受診されているそうですね。

はい。中学生から100歳近くの方まで当院を受診されています。精神科と神経科の診療に対応していますので、躁うつ病や統合失調症、神経症、認知症、お子さんの拒食症など、精神疾患の全般を診療しています。特に多く見られる症状は、うつ病です。このビル内の内科で検査したけれど異常が見つからず、当院を紹介されて受診される方が多いですね。最近では外国人の患者さんも増えています。ご相談があればどのような症状にも対応しますが、重症の方や専門的な治療が必要な方には、他のクリニックをご紹介できるよう体制を整えています。当院は、精神科の「入り口」の役割を担っているつもりです。
診察から治療までの流れを教えてください。
まずは問診です。なぜ当院を受診されたのか、いつから症状が出たのか、症状が出た理由に思い当たることはないかなど、患者さんの様子を見ながらお聞きします。初診の際はかなり時間をかけて問診するようにしています。最低でも30分、大体1時間ほどかけます。次に、うつの傾向を見るために簡単な心理テストをします。主な治療方法は、薬物療法と精神療法です。初診後は週に1度、慣れてきたら2週、症状が落ち着いてきたら4週に1度ほど受診していただき、治療の経過を見ます。お子さんの場合は、親御さんから症状についてお話をお聞きし、接し方などをアドバイスします。精神疾患の治療には身近な人の協力が必要です。大人の患者さんであっても、可能であればご家族に診察の付き添いをしていただきたいですね。
患者さんと接するときに大切にしていることはありますか?

患者さんに対して「させていただく」という意識を持って診療しています。例えば、なかなか食事を取れない方に対して「食べなきゃだめでしょ」と言うのではなく、「なぜ食べられないのでしょうね。理由があったら教えてください」と声をかけます。医師から「それはだめ、こうしなさい」と言われると、怒りが湧いてきますよね。決めつけないで話を聞き出すことで、患者さんの安心感と信頼感につながると考えています。当院の受付や看護師には、患者さんに家族のような感覚で接してほしいとお願いしています。事務的、形式的に対応するよりも、患者さんに合わせて対応することを大切にしてほしいのです。そのため、当院では患者さんに対して、あえて少しフランクな口調でお話しするようにしています。
治療を急がず、丁寧な診療で患者に寄り添う
診療モットーである「丁寧に診て丁寧に治す」について詳しく教えてください。

時間をかけてお話ししないと、患者さんのことを理解できません。勤務医時代、身体的な疾患と精神的な疾患のある方や、重症の患者さんを担当していました。その際、先輩から「治療を焦ってはいけない。まずは患者さんとじっくり付き合いなさい。その人をよく診てから治すんだ」と教わりました。その頃から「丁寧に診て丁寧に治す」ことを実践できるよう心がけています。治療が始まってからは、薬を処方して終わりではなく、処方した薬は本当に効いているのかをお聞きし、患者さんとの長いやり取りの中で治療の経過を診ます。私のモットーは、エスエル医療グループ内の他の医師にも浸透しているようです。
エスエル医療グループの前会長として、これまでどのような活動をされましたか?
発熱症状のある患者さんと他の患者さんの動線を分けるために、ビル内に発熱待合を作りました。医療ビルの中には多数のクリニックが入っていますが、主な入口は1つ。動線を確保するために、別館に発熱待合を設置しました。また、ビル入り口の上に看板を建てようという声が上がり、それも私が実現しました。より多くの方々に医療ビルのことを知っていただきたいですからね。その他に、ビル内の検査体制を整え、病院と同じような体制でスムーズに検査ができるようにしました。スタッフ用の休憩室にコーヒーサーバーを設置したりもしましたね。
待合室と診察室は落ち着いた雰囲気ですね。院内の環境について教えてください。

待合室の壁に絵を飾っています。お知らせやポスターなどは必要なもの以外は貼らないようにして、シンプルにしていますね。診察室の扉と壁は、患者さんのプライバシーに配慮して防音素材のものを使っています。こだわったのは、診察室の椅子です。クリニックには背もたれのない丸椅子が置いてあるイメージがありますよね。患者さんにリラックスしてお話いただけるように、背もたれとひじ掛けつきの座り心地が良いものを選びました。本当はもう少し診察室をきれいにしたほうが良いのかもしれませんが(笑)。きれいすぎると緊張する方もいますよね。診察室のほかに、採血や点滴をする処置室があります。
ほかのクリニックと連携し、ワンストップ医療の提供を
医師をめざしたきっかけと、ご経歴をお聞かせください。

母方の祖父が医師をやっていたことがきっかけです。祖父は早くに亡くなったため会ったことがないのですが、家族から祖父の話を聞いていました。進路を決める際、理系の大学をめざしていたのですが、理系の中でも文系的な要素がある学問に興味があり、精神科が思い浮かんだのです。実際に精神科の医師になり、自分には合っているなと感じています。専門は、精神病理学とリエゾン精神医学です。リエゾン精神医学とは、身体の疾患と精神の疾患を持つ患者さんを、さまざまな診療科と連携しながら診療することです。名古屋大学医学部を卒業後、長年総合病院に勤務し、他の診療科と連携しながら精神疾患を診療する経験を積みました。当時から「丁寧に診て丁寧に治す」ことを大切にしていたのですが、病院では早く治すことも求められます。次第に「自分のペースでじっくり治療したい」と考えるようになり、2007年に開業しました。
先生ご自身のリフレッシュ方法や休日の過ごし方を教えてください。
休日はひたすら寝ています(笑)。時間があれば、国内旅行をしたいです。温泉旅行など、のんびりとした旅が好きです。旅行するときはマイカメラを持参しています。家族写真も撮りますよ。自分ではうまく撮影できたなと思っていても、家族からだめ出しをもらうことが多いです。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

体調が悪い時に「こんな病気じゃないかな」と自分で決めつけたり、情報を調べたりする方がいます。まずは何科でも良いので、医師に診てもらうことが大事。精神疾患に関するさまざまな情報がありますが、本当に自分の症状に当てはまるのかを確認するために、医師に相談することをお勧めします。当院がある医療ビルには、さまざまな診療科目のクリニックが入っていますので、ワンストップの医療が受けられます。体調が悪い時は、この医療ビルのこと、精神的なお悩みがある時は当院を思い浮かべていただきたいですね。

