丸岡 隆之 院長の独自取材記事
黒崎中央医院
(北九州市八幡西区/黒崎駅)
最終更新日:2026/07/17
JR鹿児島本線・黒崎駅より徒歩7分というアクセスの良い場所にある「黒崎中央医院」。院長の丸岡隆之先生は、2012年の開院以来、うつ病やパニック障害、適応障害、PTSD、発達障害、認知症など、幅広い年代のさまざまな心の不調に対応してきた。最近では、心と体の関連性、腸の状態が体の健康に及ぼす影響に着目し、腸内環境や栄養学について学んで見識を深めている。そのことから、インターネットで同院を知り、栄養に関するアドバイスを求めて訪れる患者も増えているそうだ。看護師や公認心理師などによるチーム医療で臨み、「私にはできないこともカバーしてくれるスタッフがたくさんいて、いつも助けられています」と語る。丸岡院長に、クリニックの診療内容や取り組み、患者への思いについて話を聞いた。
(取材日2026年5月14日)
精神症状の改善を図り、社会的機能の改善もめざす
まずは丸岡院長のこれまでのご経歴について伺えますか?

父をはじめ、親戚にも医師が多く、小さな頃から医療を身近に感じる環境で育ちました。精神科の医師が周りにいたわけではありませんでしたが、精神科医になりたいという気持ちは持っていたことを覚えています。久留米大学医学部に進み、1992年に医師になりました。久留米大学医学部精神神経科学教室に入局してからも良い師に巡り合うことができ、精神療法や集団療法、トラウマ領域で研鑽を積むことができました。同院で医局長、外来医長を務め、2008年から6年間は同大学で講師もしておりました。2011年から約1年社会保険田川病院精神科で医長として働いた後、2012年、この医院を開院する運びとなりました。ここはもともと皮膚科の医師をしていた父が開いた医院でしたが、継承を機に診療科目を精神科・心療内科に変更したのです。
クリニックに来院される患者層について教えてください。診療はどのような流れで行われますか。
当院は成人を中心に高齢の方まで、幅広い年代の患者さんがいらっしゃっています。うつ病やパニック障害、適応障害、PTSD、発達障害、認知症など、ご相談いただく疾患としても多岐にわたります。診察室の中での1対1の診療を行うことはもちろんですが、開業当初から心理カウンセリングなども実施してきました。初めて来院された方の場合は、問診表を書いていただき、診察ではじっくりお話を伺います。その後心理検査などを行い、確定診断する、という流れです。その方の症状に応じて薬物療法を行い、必要な場合には漢方薬をお勧めする場合もあります。
カウンセリングにも力を入れているそうですね。

医師と患者さんが1対1で行う通常の外来診療は、やはり時間的な制約があります。量も質も、どちらも良い診療を提供するためには、医療チームで連携することが必要だと考えています。そこで、月曜・水曜・金曜に公認心理師が対応し、一人ひとりに十分な時間をかけながら、専門性を生かしたカウンセリングを行っています。カウンセリングの目標は患者さまによって異なるため、事前の面談を通じてご本人と共有し、それぞれの状況に合わせた方法をご提案しています。ただ、目標はそれぞれであっても、カウンセリングが終結するのは「ご自身の力で心理的課題に対して取り組んでいくことが可能になった時」であると考えています。なお、当院のカウンセリングはすべて予約制で、自由診療となっております。
自身の経験をきっかけに、多様な観点から健康をめざす
実際にカウンセリングを受けるときの流れを教えてください。

ご興味のある方は、まずお電話でご相談ください。その後、カウンセラーより折り返し予約日時のご連絡を差し上げます。受診当日は、問診票をお渡ししますので、ご相談内容などをご記入ください。その問診票をもとに、診察と面談を行い、カウンセリングが適用であるかを検討します。もしカウンセリング適用であると判断された場合、担当者を決定しますが、これには数日かかる場合もありますので、あらかじめご了承ください。担当者が決まったら改めて予約を取っていただき、カウンセリングを開始するという流れです。
最近は、「腸の健康」という観点からのアプローチも模索されていると伺いました。
実は私自身、数年前にめまいと頭痛に悩まされたことがありました。さまざまな治療法を試してみたのですが、なかなか復調せず……。その時に、私の尊敬する先輩が「腸内の環境が整っていないことが、さまざまな症状の根本原因となっている可能性がある」と言っていたのを思い出したのです。それをきっかけに、腸内環境を整えようと、生活習慣や食事の見直しを行ったりしました。心療内科を受診される患者さんの中には、私のようにめまいや頭痛を抱えている方が多くいらっしゃいます。そのような方々のためになればと、腸内環境や栄養学について学び始めました。
栄養学も積極的に学ばれているそうですね。

腸内環境について学ぶことは、あらためて本来の健康について考え直すきっかけになりました。そもそも、どうして不調になってしまったのか、その原因を知るための鍵の一つが「栄養学」でした。例えば、小麦粉にはグルテンという成分が含まれています。この成分を摂取することで腸に炎症を起こすことがあり、それが結果的に体の不調につながることがあるといわれています。私の場合もこのことが原因ではないかと考えられたのです。これまで診療を通じて、心と体の健康が関連しているケースを数多く診てきました。自分の体に合った食事や必要な栄養素を知ることは、体はもちろん、心の健康にとっても大切なことです。当院でも、その人の体に合った食事や栄養のアドバイスをしていけたらと考えています。
段階的に目標を設定し、症状改善に向けて伴走
具体的な診療の進め方についてお聞かせください。

心療内科では、「何をもって治癒とするか」という治療目標を、患者さんと共有しながら診療を進めていくことが重要だと考えています。来院の経緯はさまざまで、ご自身の意思で受診される方もいれば、思春期の学生さんのように、保護者に伴われて来られるケースもあります。いずれの場合でも、まずは現在の状況やご本人の考えを丁寧に伺いながら、目標設定を行います。その上で、必要に応じて医師から治療の方向性を提案し、「まずはここまでやってみましょう」といった具体的な目安を共有しながら、段階的に治療を進めていきます。また当院では、医師だけでなく、ベテランの看護師・事務スタッフ・公認心理師が連携し、それぞれの専門性を生かして診療を支えています。日々の診療においても、役割分担のもとで患者さん一人ひとりの状況に配慮した対応を行い、無理なく通院を続けていただける体制づくりに努めています。
診療において重視されていることは何ですか。
患者さんの症状の改善を図り、快方に導くことに尽きます。そのために、心療内科はもちろん、腸の健康や栄養学について学び、さまざまなアプローチに取り組んでいます。例えば、鉄欠乏性貧血とパニック発作・うつ症状などには関連があるとされています。血液検査をすると鉄分が不足している場合があり、抗うつ薬などの薬だけでは対応できないことがあります。そのような時は、状態に応じて食生活の見直しを行ったり、必要に応じて鉄剤を処方します。また、日頃の食事について詳しく伺うと、バランス良く食べているつもりでも、炭水化物や甘いものが多く、おかずが少ない、タンパク質や野菜が不足している、というケースは多いものです。健康に、快適に過ごしていただくために、さまざまなアプローチでサポートしていきます。
読者へのメッセージをお願いいたします。

私たちが「私たちらしく」あるためには、その肝心な“私”というこだわりから自由になったほうが良い場合もあります。“我”にこだわり、執着すればするほど、かえって私たちは的から遠ざかっていくのです。現代は、今一度自分自身の目標を見直してみる時代なのかもしれません。しかし、自分自身で行うその作業は、楽しいことばかりではなく、しばしば苦難を伴うこともあるでしょう。だからこそ当院では、食事や栄養のアドバイスや心理カウンセリングを通し、それぞれの課題に取り組むための基盤を整える一助になればと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とは公認心理師によるカウンセリング/8000円~

