草田 潤一 院長の独自取材記事
もりや整形外科リウマチ科
(あま市/七宝駅)
最終更新日:2026/08/06
七宝駅から徒歩13分に位置する「医療法人 もりや整形外科リウマチ科」。院長の草田潤一先生は、日本整形外科学会整形外科専門医、日本リウマチ学会リウマチ専門医として、長年にわたりリウマチや脊椎疾患の診療に携わり、豊橋医療センターや名古屋市立西部医療センター(現・名古屋市立大学医学部附属西部医療センター)では脊椎手術体制の立ち上げや後進の育成にも尽力した。現在は専門性を生かしながら幅広い整形外科疾患を診療し、リハビリテーションや地域の医療機関との連携にも力を注ぐ。「これまで培った経験を地域に役立てたいです」と、穏やかに話す草田院長に、専門とする関節リウマチの診療や地域医療への思いを聞いた。
(取材日2026年7月16日)
豊富な臨床経験と専門性を、地域のために生かしたい
まずは、御院の強みをお聞かせください。

一番の強みは、スタッフのチームワークの良さと温かい雰囲気、そして私自身の豊富な臨床経験でしょうか。私は、豊橋医療センターやかつての名古屋市立西部医療センターなどで整形外科部長を務め、専門の関節リウマチ診療に加え、脊椎手術体制の立ち上げにも携わってきました。55歳まで基幹病院で十分な経験を積んだ上で、2015年に前院長から当院を継承しました。当院には入院や手術の設備はありませんが、お子さんの外傷から高齢者の骨粗しょう症、首や腰の痛み、神経症状、関節リウマチなどに対し、外来で対応できる医療を幅広く提供しています。
診療を行う上で、大切にされていることは何でしょうか?
患者さんに「受診して良かった」と思っていただくことですね。もちろん、治療によって症状の改善につなげることが理想ですが、すべての病気が思いどおりに良くなるわけではありません。だからこそ、患者さんがご自身の病状や治療方針を十分に理解し、納得した上で治療に臨めるよう、「なぜ改善につながらないのか」「どこまで改善が期待できるのか」まで丁寧に説明することを心がけています。一人ひとりに寄り添いながら、適切な診療を提供することが私の診療方針です。
関節リウマチの治療では、リウマチ専門医による診療の強みはどのような点にありますか?

最近は関節リウマチの治療薬が進歩し、診断がつけば、治療薬の投与によって一定の効果が期待できる時代になりました。しかし、患者さんの病状や経過に応じて薬の種類や量をどのように調整していくかという判断には、リウマチ専門医として積み重ねてきた経験が、治療方針を判断する上で大きな強みになると考えています。また、他院で治療を受けていた患者さんが、引っ越しや加齢によって通院が難しくなり、当院へ転院されるケースも少なくありません。
関節リウマチはどのような症状が出たら受診すべきでしょうか?
手や指が腫れたり、痛みやこわばりが続いたりする場合は、受診をお勧めします。不安を抱えたまま過ごすことは、精神的にも大きな負担になります。検査で関節リウマチではないとわかれば安心できますし、もし関節リウマチだった場合も、現在は有用な治療薬があり、早期に治療を始めることで病気の進行の抑制がめざせます。一方で、放置すると関節の破壊が進み、指の変形や歩行障害につながることもあります。関節リウマチは女性に多く、発症のピークは50代ですが、20代で発症する方もいます。「もしかしたら」と、感じた時点で、気軽にご相談いただきたいですね。早期発見・早期治療が、その後の生活の質を大きく左右する病気だと考えています。
腰痛の原因を見極め、病診連携まで一貫して対応
もう一つのご専門である脊椎疾患について、御院ではどのような治療をされていますか?

一口に「腰痛」と言っても、原因は椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、骨のずれなどさまざまです。当院では問診と診察を通して、「何が原因で痛みやしびれが出ているのか」「どの神経が影響を受けているのか」を、細かく見極めています。これまで脊椎疾患の手術を数多く行ってきた経験を生かし、症状や診察所見から病態を適切に判断した上で、患者さん一人ひとりに適した治療をご提案しています。現在は優れた内服薬も多いため、まずは適切なお薬による保存療法を中心に治療を進めていきます。
MRI検査や手術などは、近隣の病院と連携されているのですね。
はい。MRI検査が必要と判断した場合は連携病院をご紹介します。当院でMRI検査の予約まで行っています。患者さんには検査だけを受けていただき、その画像は私自身が詳しく読影して診断します。診断の結果、手術が必要と判断した場合には、基幹病院などをご紹介しています。もちろん、手術が必要かどうかは画像だけで決まるものではありません。症状の程度や年齢、お仕事、生活背景なども踏まえて総合的に判断しています。例えば、若い方や働き盛りで生活に支障が出ている方には手術を勧めますし、ご高齢の方にはご本人の希望や生活背景を考慮して一緒に治療方針を考えていきます。
骨粗しょう症の検査機器も新調されたそうですね。受診のきっかけや早期発見の重要性を教えてください。

当院では、検査の精度を追求するため、腰椎と股関節の骨密度を測定する全身型のDEXA法による骨密度測定器を導入しています。手やかかとで測る簡易検査に比べて精密で、検査時間も約10分と短時間で終わるのが特徴です。骨粗しょう症は、閉経後の女性にとって決して他人事ではありません。初期はほとんど自覚症状がなく、背中や腰の痛みをきっかけにエックス線検査を受け、骨の脆さが疑われて骨密度測定を行うケースや、特に70代以降の方は、圧迫骨折を起こして初めて判明するケースも少なくありません。しかし、骨折してからでは骨粗しょう症の治療の効果は期待できません。50代以降の方は定期的に検査を受け、必要に応じて早めに治療を始めることが、健康寿命を延ばすためにも大切だと考えています。
専門性とチーム医療で、地域の整形外科診療を支える
リハビリにも注力されているとお聞きしました。

リハビリは当院の大切な診療の一つですが、「本当に必要な方へ、必要なリハビリを提供する」ことを大切にしています。患者さんを増やすために必要以上のリハビリを勧めるのではなく、一人ひとりの状態を見極めながら治療として行うという考えです。そのため、リハビリ中も定期的に診察を行い、理学療法士とも情報を共有しながら、症状の変化に応じて治療内容を見直しています。また、高齢の患者さんにとっては、リハビリは身体機能の維持のためだけではなく、生活リズムを整え、社会とのつながりを保つために大切な役割も担っています。クリニックまで歩いて通うこと自体が運動となり、スタッフと会話を交わすことが外出のきっかけにもなります。こうした身体面と精神面の両方を支えられることも、地域の整形外科クリニックならではの役割だと考えています。
スタッフのチームワークも強みとのことですが、何か工夫されているのですか?
特別に何かを指示したり細かく監視したりするのではなく、「スタッフを信頼して任せること」を、意識しています。当院は離職者がほとんどおらず、スタッフ全員が自主的に明るく温かい雰囲気を作ってくれています。お互いに信頼関係があるからこそ職種を超えた連携が自然とでき、患者さんにも安心して通っていただける環境になっているのだと感じます。
地域で診療を続けてきて感じることを教えてください。

基幹病院に勤務していた頃は、紹介を受けた患者さんの手術を行い、その後は地域の先生へお返しすることがほとんどでした。そのため、一人の患者さんと関わる期間は比較的短かったんです。一方、クリニックでは患者さんと長いお付き合いになります。特にリウマチは長期にわたって治療を続ける病気ですので、患者さんと何年、何十年という時間を一緒に歩んでいくことになります。患者さんの人生に寄り添い続けられることは、地域医療ならではの大きなやりがいですね。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
手や指の腫れや首・腰の痛みなど、気になる症状があれば、まずは整形外科を受診していただきたいですね。「このくらいなら」と、様子を見たり、接骨院へ行かれたりする方もいらっしゃいますが、診断や治療ができるのは医師です。まずは原因をしっかり調べ、その上で適切な治療を受けることが大切です。当院では、外来で対応できることはできる限り当院で行い、必要に応じてMRI検査や手術が受けられる病院とも連携しています。地域の皆さんが安心して相談できる整形外科として、これからも気軽にご利用いただければうれしく思います。

