外見からはわかりにくい
高次脳機能障害とは
表参道こころのクリニック
(渋谷区/明治神宮前〈原宿〉駅)
最終更新日:2026/09/25
- 保険診療
「高次脳機能障害」を知っているだろうか。交通事故などによる頭部外傷や脳梗塞、脳卒中などで脳に損傷を受けた後に生じる障害で、患者数は全国で約23万人と推計されている。代表的な症状は「約束をすぐ忘れてしまう」「仕事で同じミスを繰り返す」「感情的になりやすい」など多岐にわたる。そして脳の損傷部位によって症状が異なるため、一人ひとりに合わせた治療や支援が必要となる。一方で、「脳神経外科やリハビリテーション科の病気」というイメージが強く、心療内科でも診療を受けられることはあまり知られていない。そこで今回は、高次脳機能障害とはどのような病気なのか、心療内科ではどのような診療や支援を行うのかについて、「表参道こころのクリニック」の中村俊規院長に話を聞いた。
(取材日2026年7月13日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q高次脳機能障害とはどのような状態を指すのでしょうか?
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A
交通事故などの頭部外傷、脳梗塞・脳出血などによって脳が損傷を受けると、記憶や注意、言語などの認知機能に障害が生じたり、社会的行動障害といって怒りっぽくなるなど感情や行動のコントロールが難しくなったりすることがあります。この状態を高次脳機能障害といいます。診断では、MRIなどの脳画像検査で脳がダメージを受けた部位やその程度を確認し、神経心理学的検査によって記憶力や注意力、言語能力などを調べます。そして、日常生活でどのような困り事があるのか、ご本人やご家族のお話も含めて総合的に評価し、診断につなげていきます。
- Q高次脳機能障害の症状について、もう少し詳しく教えてください。
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A
事故や病気の後、リハビリなどの治療によって歩けるようになったり、会話ができるようになったりしたとしたら、一見回復したように思えます。しかし日常生活に戻ると、約束を忘れてしまう、仕事や家事の段取りがつけられない、集中力が続かない、感情のコントロールが難しくなるなどの症状が現れ、仕事や学校、家庭など生活全般に支障を来すようになります。外からは障害がわかりにくいため、「怠けている」「性格が変わった」と誤解されやすく、「見えない障害」と呼ばれることもあります。また、ご本人自身も障害に気づかず、「以前できていたことができなくなった」と自分を責めてしまい、二次的にうつ病や不安症を発症することもあります。
- Qこちらのクリニックではどのような治療や支援を行うのですか?
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A
高次脳機能障害では、急性期には脳神経外科で治療を受け、その後は脳神経内科やリハビリテーション科で経過を見ることが一般的です。一方、当クリニックでは、記憶や注意といった認知機能だけでなく、抑うつや不安、意欲低下、怒りっぽさなど精神・心理面の症状にも着目しながら診療を行います。必要に応じて薬物療法を行うほか、グループ療法を通して日常生活や社会生活への適応を支援していきます。私は大学病院時代、脳機能や高次脳機能障害を専門としていました。MRI画像診断をもとに診察、投薬などの診療を行っています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1診察・相談
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事故や病気の経過、現在の症状のほか、仕事や学校、家庭生活などで困っていることを伝える。本人が気づいていない症状がある場合もあるため、必要に応じて家族に話を聞かれるケースもある。
- 2評価・検査
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MRI脳画像検査で脳の損傷部位や程度を医師とともに確認する。また、現在の記憶力や注意力、遂行機能などの状態を把握するため、心理士による神経心理学的検査を受ける場合もある。
- 3治療方針の決定
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脳画像や検査の結果、日常生活での様子を踏まえて、現在の状態を医師が総合的に考察し、治療方法を決める。医師と相談しながら自身の症状を理解し、今後の治療方法や投薬などの相談を行う。
- 4希望する患者への心理的支援
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同院では投薬と併行し、グループ療法も取り入れ、患者の社会復帰への支援を行っている。高次脳機能障害グループでは、院長自らが行っている「院長に何でも聞こう」や、心理士が行っている認知機能向上プログラムや、音楽を用いたプログラムなど脳機能や認知機能向上のためのプログラムを用意している。また、グループ療法では、症状に応じた生活上の工夫についてアドバイスも行っている。
- 5定期フォローアップ
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定期的に診察を受ける中で、症状や生活状況を医師に伝え、必要に応じて治療内容や目標の見直しなどを行っていく。職場や学校、家庭など生活環境の調整が行われることも。多職種や関係機関のサポートを受けながら社会復帰や生活の安定をめざしていく。

